友引

生まる去ぬる
狭間に皆人に成る
苦しみと喜びが
代え難い糧と成る
至る離る
何かの拍子に箍外れ
御蔭は御互いの
心根に宿って居る
口が禍を
招く事に
聞く耳を持ちて生け
実生らし人と成れ
括る留る
高飛車が後に仇と成る
見返り期待為て
口は滑り消えて逝く
噤む黙る
知らぬ存ぜぬつき通す
取巻の者共に
根回し為ても襤褸が出る
口が禍を
招く事に
聞く耳を持ちて生け
実生らし人と成れ
耳をも貸して生け
楽為たくさ迷い
何も解らずに遣られました
おいたし遣り過ぎた後に大事だと
気付いた時にはもう二進も三進もどん詰りでした
私は諸行無常
私は生れ逝きたり
已まれます私は
至ります私は
廻る巡る
人生く中で何が立つ
立てぬ人とし立とう
腹括り皆で立とう
口が禍を
招く前に
其の言葉潰してけ
そして其れを糧と為て
来至る其の時に
残さぬ様に
澪つ串て生きよう
澪つ串現世に
澪つ串て生きて往く
澪つ串現世に
澪つ串て逝こう
本歌
折坂悠太
「逢引」