鉗み

彼の世先立つ人情け人の
過ぎし人は暖かさを忘れてる
眩れる人は喚き
何時も青い野次
そんな此の世生きる人に
手合せる私

舌の根添えも乾かぬ人
囀れば舌も切られ

其れが此の世と
誰も過ぎる
でもね善く見て欲しい
人には未だ未だ
情けの欠片在る筈と

情け廻り亦来るだろう
人がちゃんと生きて居れば
だから前を御覧よ

人は生きる
情けの人と為て
人には未だ未だ
在るんだと傍に居ると
其れが此の世と
人の情け
然う為て人は生きる
人には未だ未だ
情けの欠片在る筈と

生れ逝く人と情け

本歌
折坂悠太
「鶫」

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