人よ

此の世が仕舞う
人終って居る
御蔭の情け亡く為て人は
誰も人には成れない事を
知らず仕舞うそして省みも
無いのだろう

互いに情を温める様に
此の世をも暖めて上げたいと
思わずに独りで温めて
自分の身迄焦がす

人よ
此の世迄殺すのか
幾ら人が偉いと為ても
人は刹那に永遠等
在る訳無いとも解らない

此の世よ仕舞え
人は逝くから
思い残らず吹かれて消える

首を絞めた自分の手で首を
其れ添え人は解らない
誰の所為誰の所為其れ許り
他人の身迄添え焼く

人よ
過ぎし人省みず
涙も出ずに見切られる人
人の刹那が尊い物と
知らぬなら思い知れば良い

マスク越しでは生き辛いと
其れでも人は晒さずに生きる
情と言う確かな物を
頼りに為て生きて行く

人よ
心迄殺すのか
心無しで生きられたとて
人は誰かの心で生きる
心が無ければ人は死ぬ

此の世
暖かな心で満たせ
情け深い心で満たせ
全ては人に掛って居ると
皆に解って居て欲しい
皆が解って居て欲しい

本歌
鬼束ちひろ
「蛍」

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